阪神ブロック協議会 公開講座が開催されました
日本代協阪神ブロック協議会(大阪代協、兵庫県代協、和歌山県代協)は、10月3日(水)午後6時30分から、大阪市の阿倍野区民センター小ホールで、「アミノインデックス がんスクリーニング検査(AICS)」をテーマに公開講座を開催しました。これには一般参加者をはじめ、代協会員、保険会社などから161名が参加しました。
開催にあたり、塩谷広志ブロック長(写真左下)が「損害保険代理業協会は、損害保険代理店の永続的な発展とその地位向上を目指しています。そのためには広く社会貢献活動を行い、社会に役立つ集団でなければなりません。本日の公開講座もその一環として開催いたしました。本日は、わずかな採血で複数のがんの可能性を検査できるAICSの仕組みと、医療現場でのデータをもとに、検査結果後の具体例を交え、その検査の開発者および神戸低侵襲がん医療センターの先生方に分かりやすく解説していただきます。ぜひ、周りの方々にも情報提供していただければと思います」と挨拶しました。
公開講座Part1では、味の素㈱アミノサイエンス事業本部の安東敏彦氏(写真右下)が「アミノインデックス技術の成り立ちと今後の展望」について講演を行いました。同氏は、健康状態により血液中のアミノ酸のバランスが疾患によって特徴的な変化することに着目し、男性5種類(胃がん、肺がん、大腸がん、すい臓がん、前立腺がん)、女性6種類(胃がん、肺がん、大腸がん、すい臓がん、乳がん、子宮がん・卵巣がん)についてその可能性を評価できる『AICS』検査を開発したと述べました。
AICSは、それぞれのがんについて、現在がんである可能性をランクA~Cの3段階に分類し判断するもので、その検査は5ccの採血だけで前述のすべてのがん検診を行うことができます。
さらに同氏は、平均寿命が延びる昨今においてはいかに健康寿命を延ばすかがポイントであると指摘。そのためには、加齢に伴う筋肉量の減少を抑えることであり、アミノ酸を摂取することが大切であると強調しました。
引き続いて行われたPart2では、神戸低侵襲がん医療センター副院長・放射線科部長の石田淳氏が「血液検査でできるがん検診AICSの有用性について」話しました。同氏は、2人に1人ががんに罹り、3人に1人がそれにより死亡する中で、その死亡率を減らすためには早期発見・早期治療が重要であると力説しました。しかし、日本におけるがん検診受診率は、平成28年調査では男性が50%弱、女性は肺がんを除き40%にも満たず、国が掲げる目標の50%に届いていないのが現状です。とくに大阪のがん検診受診率は胃がん、肺がん、大腸がん、乳がんにおいて全国ワースト1となっています。検診受診をしない理由は、時間がない、費用がかかるなどが多くを占めていますが、短時間で、しかも2万7千円程度の費用だけで複数のがん検診を簡単にできるAICSは検診受診率を高める効果が期待できると言います。また、がん発見率についても、AICSは0・94%であるのに対し、人間ドックは0・26%と、有用性の高さをアピールしました。
最後のPart3では、神戸低侵襲がん医療センター放射線治療科部長の西村英輝氏が「神戸低侵襲がん医療センターでの放射線治療について」説明しました。
日本では、がん治療に関しては手術至上主義が取られており、放射線治療は3分の1にしか行われていません。そのような中で、同センターは放射線治療しか行わない唯一のがんセンターです。
同氏は放射線治療について、トモセラピー、サイバーナイフ、強度変調放射線治療(IMRT)、粒子線治療などのそれぞれの治療方法の特徴を説明するとともに、がん細胞に対しより効果的に照射できるように放射線医療機器の開発が進んでいることを紹介しました。
(記事:新日本保険新聞社)