オープンセミナー開催
公的保険から始まる保険サービスの実践
大阪代協船場支部は、11月21日(火)、午後4時から、「公的保険から始まる保険サービスの実践に向けて~顧客満足と業績向上を両立させる具体策とは~」をテーマにオンラインによるオープンセミナーを開催しました。講師は、公的保険アドバイザー協会代表理事の土`川尚己氏および理事の山中伸枝氏です。
土`川尚己氏挨拶
冒頭、土`川氏が「2年前に金融庁が示した公的保険制度の取扱いについて、皆さんが誤解されている点が2つあると思います。1つは、お客様に公的保険について説明すればお客様は民間の保険に入らなくなるのではないかという不安。2つ目は、低金利で年金商品を販売していない中でわざわざ公的年金の説明をしなくてもいいのではないかといった誤解です。その誤解を解くカギは〝ねんきん定期便〟です。これに基づいてお客様にアドバイスすればこれらの誤解は解けます。むしろそれがキッカケとなって生命保険のニード喚起につながっていくと確信しています。本日は〝ねんきん定期便〟を活用してどのようにお客様に説明していけばいいのかを、セミナーを通して実感していただければと思います」と述べました。
公的保険入門セミナー
続いて、山中氏が「公的保険入門セミナー」と題し講演を行いました。同氏は、2021年12月に金融庁が示した監督指針の改正で、
①募集人に対する公的保険制度に関する十分な教育がなされているか、
②公的保険制度や受取額を踏まえ募集時に顧客に適切な情報提供を行っているか
といった2点が新たに明記されたことに着眼し、お客様に伝えるべき適切な情報について紹介。具体的に、お客様が抱えるリスクに対する備えとして、共助である公的保険(健康保険、介護保険。雇用保険、労働保険、遺族年金・障害年金・老齢年金といった年金)と自助である民間保険(医療保険、所得補償保険、生命保険、収入保障保険、個人年金保険)があることを説明しました。その上で、公的保険で賄いきれない経済的損失を民間保険で補うことが必要であると述べ、お客様を理解、納得させるためには公的保険の受取額の試算が必要で、そのためには〝ねんきん定期便〟が欠かせないと強調しました。
同氏は、ねんきん定期便からできるニード喚起として、
①病気やケガで働けなくなったときの備え、
②家族が死亡したときの備え、
③長生きに向けた資産形成があると言い、
誕生月や節目の年齢になると送付される〝ねんきん定期便〟の具体的な見方と活用方法について説明しました。そして、ねんきん定期便からできる民間保険のニード喚起についても触れ、家族形態別に夫に万一の場合の生活資金と社会保険から給付される遺族年金の算出法、さらに長生きに向けて準備しておくべき資金と社会保険から給付される年金について、シミュレーションによる具体的な金額を示しました。そして最後に同氏は、「これから公的保険の縮小が予想される中で、ますます民間保険の役割は高まってきます。
ねんきん定期便を活用すれば、
①社会保障制度ではカバーしきれない資金は「保険」や「資産形成」により準備する必要がある、
②ねんきん定期便の届くタイミングで年1回顧客接点の機会が創出できる、
③働き方が変わった際にリスクの見直しが必要となる、
といったことをお客様にご理解いただくことができます。ぜひとも公的保険からアプローチしてほしい」と訴えました。
そして締めくくりとして、土`川氏が「セミナーで冒頭にお話しした誤解は解けたと思います。公的保険を説明すればお客様は民間保険に入らなくなるのでなく、逆に公的保険だけでは賄いきれないというリスクが明確になります。より民間保険での備えの必要性がはっきりしたはず」と述べるとともに、公的保険制度は頻繁に改正されることを踏まえ、「最新の公的保険の保障内容や仕組みを理解しておくことが肝要であり、お客様に正確な情報をお伝えし続けることが重要」と話しました。同協会では、公的保険アドバイザー資格制度を設けています。資格取得者には、ねんきん定期便の内容をグラフ化できるアプリ「年金チェッカー」の利用や、セミナー動画やワンポイントの学習動画が見放題など、手厚い会員サポートがあります。と説明がありセミナーは終了しました。
(記事:新日本保険新聞社)