堺支部 セミナー『堺の歴史を探る』を開催しました
2020.10.29
10月28日(水)、三井住友海上火災保険㈱ 堺ビルにて第4回 支部会終了後にハイブリッド形式で支部セミナーを開催しました。会員27名(内Zoom参加9名)が参加し地元堺の教養を深めることができました。
セミナーの講師に「すずかけ塾」主宰の北村修治氏をお迎えし『堺の歴史を探る』をテーマに約1時間お話をいただきました。北村氏は、国語科教諭として40年勤務された後、朝日旅行の「歴史旅案内人」として添乗業務をされていました。
今回は、大阪府立堺東高等学校で10年間「堺学ゼミ」を開いていた時のお話でした。生徒がフィールドワークで堺を探訪し授業で発表したテーマのスライド(生徒が作成)を使って堺の歴史について説明をいただきました。
当時の生徒の皆さんが発表したテーマは、次のとおりです。
①仁徳天皇陵のお堀は、江戸時代は2重の堀であった!
明治時代になって天皇制を中心とした近代国家作りを急ぎ、権威高揚のため3重の堀を造りました。
②行基さんて知ってる?
数々の社会事業を成し遂げた高僧、行基は堺で(現在の家原寺町)生まれました。天皇から奈良の大仏建立事業を任され、東大寺四聖の一人に数えられています。
③日本最初のクリスマスは堺!
1563年12月に堺の大商人であった日比屋了慶の屋敷(南蛮寺)‐現在ザビエル公園‐で記録に残る日本最初のクリスマス礼拝を行った。
④日本で初めて自転車を輸入!
ものの始まりは堺から、と言われるように明治3年に木製の自転車を日本で初めて輸入しました。堺ではこれを鉄製の自転車に作り替えました。
⑤堺の和菓子
茶道の大家である千利休によって完成され、広められた和菓子がたくさんある(くるみ餅・けし餅・ニッキ餅・大寺餅など)。
⑥堺の包丁
江戸時代に戦がなくなり堺の鉄砲が売れなくなった。代わりに幕府公認の堺極印の焼き印を押したたばこ包丁を作り江戸での販売を許可された。それを大名が買い参勤交代で地元へ持ち帰った。やがて料理人の間で広まり料理包丁として全国で売れ堺の名産となった。
他に「堺かるた(写真は堺市立図書館「ゆずりは」HPより引用)」について最初の3つを紹介いただきました。
①「あ 顕家の 悲壮な戦士 石津川」
北畠顕家(きたばたけあきいえ)南北朝時代の南朝方の武士。後醍醐天皇に忠義を尽くしましたが石津の戦いで室町幕府軍に敗れ戦死しました(享年21歳)。
②「い 和泉河内 大和あわせて 堺県」
慶応4年(明治元年)6月22日、堺県がつくられた。土居川に囲まれた堺の町と、和泉、河内、大和(奈良県)が堺県。明治14年に、堺県は大阪府に含まれる。
③「う 海恋し 晶子生まれた この堺」
情熱の歌人与謝野晶子は明治11年12月7日、甲斐町大道、菓子商駿河屋で生まれた。生家跡に「海恋し潮の遠鳴りかぞえつつ少女となりし父母の家」の歌碑があります。
ご経験豊かな北村氏のいろいろなエピソードを交えてお話しいただき、セミナーの内容はまだまだ紹介しきれませんが、堺の歴史について興味深く話しを聞くことができた、あっという間の一時間でした。
(記事:堺支部 大谷記者)