一般社団法人大阪代協

北摂支部の活動報告

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10月度北摂支部会とオンラインセミナーを開催しました

2021.10.27

 10月22日(金)に10月度支部会、ならびにオンラインセミナー「『都市型震災で何が起こるか』映像に学ぶ減災のヒント」を開催しました。今回は各保険会社にもご後援を頂き、広く周知を行ったことで100名近い視聴を頂きました。

(大阪代協会議室でハイブリッド支部会を開催)

 講師をお願いしたのは、朝日放送テレビ報道局の木戸崇之氏で、2020年に阪神淡路大震災の取材映像38時間分を公開した活動で放送文化基金賞などを受賞されています。『激震の記録1995』と題されたアーカイブはインターネットで公開されており、誰でも視聴することが出来ます。
https://www.asahi.co.jp/hanshin_awaji-1995/

(木戸氏の紹介をする辻副支部長)

 セミナーでは、実際に公開されている映像を使い、木戸氏は、大きく ①建物崩壊 ②火災 ③食料 ④トイレ ⑤助け合いというテーマに分けて説明しました。
 ①建物崩壊では、同じ地域でも損壊度合いに差はあるものの、総じて1階部分の被害が大きいこと、昭和47年以前に建てられた建物の被害が大きく、築年数の浅い建物、耐震補強がなされた建物が強かったと説明。その上で、「築年数の浅い建物、耐震補強がなされた建物でも何回か地震に遭えば〝揺れ疲れ〟が見られる」と指摘し、「建物のメンテナンスとともに、室内においても家具等の倒壊を防ぐために支柱等で支えておくことが大切」と話しました。
 ②火災については、地震発生の翌日に通電火災が発生したケースが多く、家を離れるときにはブレーカーを落としておくことの重要性を述べました。また、10万人の死者が出た関東大震災時は台風の接近で強風であったなど、状況の違いによって被害が変わってくることを説明しました。
 ③食料については、震災直後には配給不足に陥ったこと、不公平が生まれていたと問題点を指摘。そうした中にあって、ある家族が自宅の冷蔵庫に残っていた食料を活用していた映像から、冷蔵庫を耐震補強しておくことも食糧確保の一つの方法であると紹介しました。
 ④トイレに関しては、水が流れない事情もあって避難所の衛生状況は最悪で、便座に座れない状態であった映像を紹介し、その対策として、自宅のトイレが使えるのであればビニール袋を活用すれば衛生面が保たれ、他人の目を気にすることなく使用できるといったことを紹介しました。
 ⑤助け合いに関しては、都市部と農村部で差があったと指摘。混乱の大きかった神戸市に比べ、淡路島ではがれきから被災者を救出したのが早かったことや食料不足といった問題が生じなかったとし、その差は助け合えるコミュニティが築けていたかどうかが大きかったと説明しました。そして、日ごろから地域で防災運動会を開催するのも一法ではないかと述べました。

 最後に同氏は「災害時にあっては、自分で何をすべきかを考え行動することが大事です。映像の公開にあたって出演者から取り下げて欲しいという申し出は一人もありませんでした。それだけ皆さんは、震災の経験を将来にわたって伝え、防災・減災に生かしてほしいという思いがあったからだと思います」と結び、聴講する代理店等に向かって「この映像を皆さんの活動に有効に活用していただきたい」と呼びかけました。
 セミナーは、落合和彦支部長の「本日のセミナーで、改めて災害の恐ろしさを感じました。保険代理店という職業上、災害に備える重要性とそれをお客様に伝える必要性をより感じることができました」との挨拶で終了となりました。

(左上:木戸氏 中央:落合支部長 右上:水野副支部長 )

(記事:北摂支部 辻副支部長)

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