成果の出る会議のススメ方セミナー開催
船場支部は、9月26日(月)午後4時30分から、オープンセミナー『保険代理店経営のミライを考える ~伸びる会社は「これ」をやらない~〝営業組織向け 成果を出す会議の進め方〟』をテーマに、Zoomならびに大阪代協会議室のリアルによるハイブリッド形式で開催しました。
会場となった大阪代協会議室に6名、Webで参加された方が81名、合計87名が参加しました。
講師は、株式会社識学 大阪営業部大阪2課シニア講師の濱中圭介氏です。
開催にあたり、下地直輝副支部長は「募集人一人ひとりの生産性を高めて会社の業績を高めていくことが重要です。本日は、意識行動学に基づいて3000社以上をコンサルティングし、各社の業績を伸ばしてこられた株式会社識学の濱中様を講師にお招きしました。濱中様ご自身、外資系生保会社を経て保険代理店経営者として10年間、保険営業に携わってこられました。セミナーでは、具体的な事例を交えて、識学のナレッジを学んでいただきたい」と挨拶しました。
セミナーでは、濱中氏は冒頭に、従業員の育成にあたっては、2つの「意識」のずれの問題があり、これを正すことが重要と説明されました。その2つとは、
①相互認識のずれ
②事実認識のずれ です。
①は、上司と部下で認識している〝普通〟がずれてしまっていること。
②ではビジネスでは当たり前の事実がずれてしまっていること。例えば給与について言えば、お客様へのサービス提供→その対価を得る→それが従業員の給与となるというのが正しい順番(認識)なのに、従業員の中には、先立って給与を求める者が存在する、と説明しました。
その上で、保険営業に特化した話を進めました。同氏は、保険営業は手数料が積み上がっていく仕事であるがゆえに安定しているが、その一方で一定まで来ると伸び悩む傾向にあると指摘。それを打開するためには「募集人の育成が重要になってくる!」と強調しました。そして、そのポイントの一つが『会議である』と述べました。会議は募集人を育成する絶好の機会であり、識学では会議を「約束の場」と定義しているとのことです。
一般的に保険営業では、目標は年間→月次→週という期間に分けて計画が立てられます。例えば、週4件の成約を目標とすれば、逆算してその週には8件の訪問、そのためには20件のTELアポが求められます。
上司として、最初にしなければならないことは「これらのゴールを明確に設定する」ことであり、それを部下と会議の場で「約束する」ことだと言い切りました。そして、会議で振り返る際には、目標に届かなかった不足部分に対してその原因を明確にすることだと述べました。
一方、部下には、不足を埋めるためには何をすべきかを自分で考え、行動を変化させることが求められるとしました。この行動変化には、いつまでにやるという期日と、こうなっているという状態を明確にして約束させることが必要です。「一生懸命頑張ります」は曖昧であり、約束にはなりません。約束には解釈のずれがあってはいけないということです。また、上司は、部下が目標を達せなかった際に「なぜ目標に届かなかったのか」を問い詰めるのではなく、できるようになるために「どうする?」ということばをかけ続け、部下に考えさせ自責を感じさせることが重要だと述べました。この〝毎週の不足を認識する〟繰り返しが〝出来なかったことが出来るようになる〟成長へつながると強調しました。
続いて、「部下の免責を排除する」ことに触れ、〝部下に言い訳できない環境を与えてあげる〟ことが大切だとしました。それは、目標を定めた時点で、〝最初に言い訳を出させる〟ことで部下の免責を排除していく方法です。具体的には、4件の成約を約束したスタート時に、この目標に向かって何か懸案事項がないかを事実確認します。それに対して、部下の言い訳が物理的に厳しいときには「こういうことをすればできる」という解決法を言わせ、権限をアップします。これを繰り返すことで言い訳が排除されていき、部下自身に自責の念が生まれてきます。この過程で上司が言ってはならないのが、部下の言い訳に対して「それなら仕方がない」ということ。これは部下の言い訳を認めることとなり、目標認識を薄れさせてしまいます。
また会議は、部長⇔マネージャー、マネージャー⇔募集人の2階層で行うことが重要で、部長が階層を飛び越えて直接募集人に関わるとマネージャーが育たないと注意を促しました。
次の「評価制度」の説明では、特にインセンティブ色が強いとインセンティブの多い募集人が上位者となりやすく、組織としてのバランスが崩れて歪になりやすいと述べました。もし、そのようになっているのであれば、全員のベクトルが同じ方向に向くように給与体系全体を見直す必要があると指摘しました。
最後に同氏は、これまでのコンサルティング経験から、こうした問題発生の防止と従業員の意識改革の対策として、固定給の内訳(例えば、基本給、職能給、役職手当等)ごとによる評価制度を設ける(例えば、四半期ごとに評価し、半期ごとに査定を行って給与を見直す)と従業員の自責意識が高まり、働き方、取組み方が大きく変わってくると締めくくりました。
織学の濱中講師は、オンライン形式で無料の相談会も受け付けるとのことですので、人材育成に悩みのある方は一度相談されてはいかがでしょうか。
(記事:新日本保険新聞社)