民間調停を学ぶWebセミナーを開催しました
講師:大阪弁護士会所属
ADR委員長(日弁連ADR副委員長)
弁護士 山川 良和 氏
2月22日(水)15:00より北大阪・船場支部合同セミナーをハイブリッドにて開催しました。
代協会議室のリアル参加者13名、Web参加者76名の合計89名が参加しました。
山川弁護士から民間調停の意義・内容を分かりやすく説明いただき大変有意義なセミナーでした。
トラブルが生じると、弁護士に相談して訴訟・裁判、という考え方が一般的ですが、必ずしもそれだけではありません。裁判以外にもいろいろとトラブルの解決を図るための道筋があります。
これを知っているか否かで、保険代理店のお客様に対するお役立ち度合いが違ってきます。今回のセミナーではいろいろなADRにいて学び、トラブル解決の引き出しを増やすことができました。
1.いろいろありますADR
◆裁判以外の紛争解決手続きをADRといいます。
◆ADRとは、
ALTERNATIVE(代替)
DISPUTE(紛争)
RESOLUTION(解決)の頭文字とっています
◆裁判は、判決、決定、審判等、裁判所が(当事者の意向にかかわらず)
どちらが正しいのか判断が下されますが、
ADRは双方の意見を聞いて解決案が提示されます。
ADRは、大きく分けて次のいずれかによって解決を図ります
①和解あっせん(双方の合意による解決を目指す)
②仲裁(第三者によって判断が示される。手続開始に双方の合意)
私たち保険代理店が関わることが多いADRは
①損保ADR
②交通事故紛争処理センター
③民間総合調停センター(民間調停)
の3つです
2.損保ADRとは
◆損保協会が運営主体となって、顧客と保険会社のトラブルを解決するための機関として設置されている。
◆全国に10か所ある。近畿では北浜の大阪損保会館9階。
◆損保会社顧客の相談・苦情解決手続き・和解斡旋を行っている。
◆費用はかからない
3.交通事故紛争処理センターとは
◆運営主体は国内、外国損保会社、各共済会社です。交通事故関係者の利益の公正な保護のための機関として設置されている。
◆全国に11か所ある。大阪では北浜2丁目 小寺プラザビルに所在。
◆和解・斡旋の他申し立てがあれば審査を行う。
◆費用はかからないが、加害者が任意保険、共済に加入していないと利用はできない
◆物損・自転車事故は利用できない
4.そこで民間調停の出番です
◆正式名称は、公益社団法人民間総合調停センター
◆場所は、西天満の大阪弁護士会館の1階にあります
◆民事上のあらゆるトラブルの解決に利用できます
弁護士はもちろん、司法書士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、宅建協会、会計士、建築士、福祉会、社労士、税理士、消費者団体・・その他様々な専門家から和解斡旋人を選定し、そのトラブルに応じた対策チームが構成されます。
◆申立書等の書類を郵送または持参し、受理されれば手続きが始まります。
◆申立書類の作成にあたっては「申立補助制度」があり、無料でサポートが受けられます。
◆年間200件弱の利用実績があります。
◆申立手数料は1件1万円です。
◆成立手数料は解決額に応じて1万5千円~と低廉です。
この民間調停は、とても利用しやすい制度です。
トラブルの相手も解決を望んでいて、裁判を起こすまでもなく、専門家による客観的に公正な判断を仰ぎたいケースに特に有効だと感じました。
下記のURL(リンク)は民間調停のHPです。
是非利用を検討されてはいかがでしょうか?
https://minkanchotei.or.jp/
当日のセミナーでは、「こんな時どうする?」といった具体的な事例を挙げての説明がありました。また、多数の質問が行われ、丁寧に回答をいただきました。
大阪代協では、引き続き会員の皆様のお役に立つ情報をお届けして参ります。
次回も是非ご参加いただきますよう、お願いいたします。
(記事:船場支部 前田記者)