一般社団法人大阪代協

理事会その他の活動報告

委員オリエンテーションが開催されました

2024.06.18

2024年度委員オリエンテーションが6月6日(木)あいおいニッセイ同和社フェニックスタワー16階会議室にて78名が参加して開催された。

開講挨拶として妹尾副会長からこの行事の趣旨説明が行われた。大きくは次の2点である。

◆各委員会委員に「なぜ代協活動に取り組むのか」を理解してもらう
◆大阪代協全体の意思統一を図り、組織のベクトルを一致させて活動するため

基調講演

続いて日本代協CSR委員長の大城 拓氏が「なぜ私たちが代協活動に取り組むのか」のテーマで講演された。

大城氏基調講演動画リンク >
大城氏基調講演資料リンク >

大城拓氏プロフィール

大城氏は39歳。株式会社RICKA(リッカ)の代表取締役として沖縄で保険代理店を経営されている。2009年に地元沖縄の損害保険会社、大同火災海上保険株式会社に入社。2015年に代理店に魅力を感じ退職を希望したところ、大同火災ビジネスパートナー(直資代理店)の設立の時期と重なり同社へ出向。2017年保険代理店をするため退職し、個人事業で開業、2019年に法人化された。
開業当初、仕事が思うようにいかず苦労した時期をへて、現在、平均年齢36歳、社長を含め4名で代理店を経営されている。
代協活動としては沖縄県代協の教育副委員長、教育委員長、副会長をされ、その後、2022年に日本代協理事、CSR委員長に就任され、7月からは沖縄県代協の会長をされる。

代協活動を行うメリット・デメリット

代協活動をして自分の会社を犠牲にしていないのか?
と人から言われることがある。大城氏は、代協活動のメリットとして次の点を挙げ答えている。

◆業界団体で活躍する代理店には、保険という職業への誇りを持ち、選ばれるために努力をし、投資をして自社を高めようとする経営者が多い。そのような、全国の優れた代理店と交流することで代理店としての使命感の醸成に役立つ。

◆代理店業務を自分以外の社員に任せることで、社員の成長を促し、業績が向上する。かつて、自分以外の社員には任せられないと思い込んでいた事が誤りだとわかった。

◆自社以外の代理店との交流を通して、様々な成功事例や思いもよらない着眼点に触れることができ、代理店もビジネスにおける競争社会の中にいることを肌で感じることができる。

◆代協活動を通して身につけるスキル(ITツールの活用、動画作成、講演、社会貢献など)を自社の経営に活用できる。

一方、デメリットとしては

◆自信を失う。自分は努力している、勉強していると思っていたが不十分と思い知る。

◆時間を取られる。会議やイベントへの参加やその準備に時間がかかる。しかし、かける時間も投資だと考え、経験を利用するという回収を常に考えている。

環境認識

また、保険業界を取り巻く環境について次のように語った。
昨年表面化した問題点も踏まえ、高品質な取り組みをしている代理店が正当に評価され、規模が大きくても利益優先で顧客を顧みない代理店が淘汰される方向に進むだろう。自社としては、変化に対応しながら顧客本位の業務運営を最優先に経営していく。

代協活動のモチベーション

事業環境や経営に関する最新の情報に触れられることが代協活動の醍醐味だ、と語った。
自社の社員の家族も含め、その生活をどうやって守っていくのか。社会により貢献できる働き方、社員がやりがいを感じる働き方、より効率的に収入が得られる働き方、これらがどういうものかを常に考えている。代協活動を通じて得たものを自社に当てはめてどう活用するか、ここに回答がある。

代協活動において大切にしている考え方         

自社を客観視し、何が強みで、どこが不足しているかを考え、レベルアップが図れる交流を心掛けている。代協活動を通じて自社の経営だけではできない出会いがあり、役割や経験をすることができる。代協活動によって、自らの視野が広げ、人として成長することができる。元々代協活動は、保険代理店の職業魅力の向上を目指した取組みである。自社の収益に直結しなくても社会に貢献することで、保険代理店の発展に繋がり、自分が成長できる。これは必ず自社の経営にも活きてくると信じている。

保険業界が社会から認められるために

現在は、保険業界に対する信頼度が低下している状況。我々代理店が「ぼうさい探検隊」で子ども達の安全確保に協力したり、防災につながる活動やSDGsの取り組みなどの社会貢献活動を通じて、保険業界が社会に認められ、信頼の回復に繋がるはずだ。
保険代理店が、一般消費者からリスペクトされ、子ども達から憧れられるような存在となることが、何よりも大切だ。

なぜ私たちが代協活動に取り組むか

環境や業界の流れを正確に把握するためであり、また、競争環境にいることを自覚し、より高みを目指すためである。
健全な競争の行きつく先は保険代理店の社会的地位の向上であり、代協活動を通してこの職業のステータスを高めていきたい、と述べた。
大城氏は懇親会の場で「代協活動の中で、CSR活動のみが唯一社会全体に目を向けた活動であり、この取組みを通して保険業界や代理店が社会から認められる近道になる」と挨拶された。

穏やかな語り口で熱意を持って代協活動の重要性を話されたのが印象的だった。

新谷会長メッセージ

続いて新谷会長が「なぜ私たちに代協が必要なのか」とのテーマでメッセージを発信した。

ディスカッションに耳を傾ける新谷会長

代理店総数、および元受収保における代理店の占有率が減少傾向にある中、昨年は損保業界が震源となって社会を揺るがす大問題が発生した。今後保険業界の変化はさらに激しさが増し、数年先ですら見通せない状況だ。果たして保険会社の言うとおりにしていて本当に大丈夫なのか?また、所属する保険会社からの情報だけを基に、個社のみの判断でこの先存続して行けるだろうか?
行政の方針を受けて、保険会社が様々な対応を始めるだろう。変化はこれからであり、今後の状況変化に注目が集まっている、と述べ、我々保険代理店にとって「なぜ代協が必要なのか」を次の3点に集約した。

■ 代協には「代理店存続のための情報」と「経営判断のための交流の場」が用意されている

日本代協はこのほど開催された、金融庁の有識者会議や、損保協会の抜本改革PTへの参加が認められている。保険業界の流れの中心にいて、正確かつ最新の情報が得られる立ち位置にある。
大阪代協には800店を超える会員が存在し、1支部においても100店前後の保険会社の枠を超えた仲間が皆さんの身近にいる。様々な保険会社に所属する代理店の様々な考え方に触れることができる。

■ 保険業界の健全な発展を目的として、現場の代理店の声や思いを保険業界に発信できる唯一の機関

代協は、金融庁・財務局との関係を大切にしている。大阪代協の会長であっても、年に1回、金融庁保険課長と対話する機会を持つことができる。日本代協は、年2回、保険会社との濃密な対話の機会を設けている。
大阪代協では、全ての会員を対象に、保険業界に対する声や思いを集めるアンケートを実施し、集約した結果を保険業界に向けて広く発信する活動を行っている。一人一人の声は届きにくいが、多くの声が集り、真っ当に発信することで業界は変えられると信じている。

■ 保険代理店という職業の大切さを世の中に浸透させなければならない

日本では、損害保険料の90%以上が代理店を経由して加入している。Web経由などの保険会社に直接加入する割合は10%に満たない。しかしこの割合は微妙に減少傾向にある。
今後ますますAIが発達し、保険会社が省力化や募集コスト(含む代手)削減のために、DXを推進することは間違いない。保険会社も生き残りをかけて必死に取組んでおり、我々がそれを否定することはできない。
私たちが取り組むべきことは、お客様から「保険代理店は必要だ」「保険代理店から保険に入って良かった。ありがたかった。」と言っていただくことだ。これができないと、保険代理店は不要ということになり、やがて淘汰される職業になってしまうだろう。
代協は、保険代理店がお客様から支持されるための、仕組みやツールを準備している。保険代理店の存在意義をPRする企画を展開している。是非、人ならではのお客さまとの信頼関係の構築に活用して欲しい。

そして、私たちに必要な代協が、今後も存続・発展を遂げるために必要な活動として下記の5点を挙げた。

●仲間づくりが必要
●人材育成、教育が必要
●代理店の体制整備が必要
●地位向上を図る取り組みが必要
●効果的な広報活動が必要

これら5つがすなわち「代協活動」であるとして、これからの2年間、大阪代協の活動を楽しんで、一枚岩でやっていこうと各支部の委員たちに呼びかけた。

グループディスカッション

大城氏の基調講演、新谷会長のメッセージを受け、各委員会毎のグループに分かれディスカッションが行われた。
ディスカッションテーマは、「各委員会の活動について、何のために取組むのか?」であり、委員が活動に取組む意義を腹に落とすことを期待して設定された。

40分のディスカッションの後、各グループから代表者による発表が行われ、代協の必要性、代協活動の意義が参加者の間に浸透していった。

講評として安本特命理事が、「委員会活動は、まさに代協活動の中心であり、各支部から参加している委員は支部と代協活動を繋ぐ重要な役割を担っている。委員会の取組みをしっかり腹落ちさせて、話し合われた事を支部に持ち帰り熱く伝えてほしい。」と述べた。 最後に宮坂副会長の閉講挨拶で会を終了した。

(記事:広報室 落合記者)

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