日本代協コンベンション2024
<資料・動画掲載済>
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11月15・16日、大阪代協の代表17名は東京で開催された第13回日本代協コンベンションに参加しました。
会場は、1日目はグランドニッコー東京台場、2日目は損保会館他で開催されました。
日本代協コンベンションは、金融庁保険課長をはじめ、各保険会社社長、業界関係者が数多く参加され、会員と併せて総勢500名超が集まる、公的な損保業界の集りとしては日本最大のイベントと言っても過言ではありません。
今回参加したメンバーは下記のとおりです。(敬称略)
小田島会長挨拶
オープニング動画の後、小田島会長が挨拶に立ち、
「代協組織も保険業界も、今まさに変革期を迎え、会員の皆さんから情報が求められていることを承知している。日本代協は過去からそのスタンスをぶらさずに取組んできたことが評価され、有識者会議に続いて、金融審議会作業部会、損保協会に設置された第三者評価検討委員会にオブザーブ参加が認められている。変化をチャレンジに変える絶好のポジション、タイミングだ。この2日間、業界情報の収集と自社経営へのヒントを積極的に掴み、有意義なコンベンションにしていただきたい。」と述べました。
ご来賓祝辞
金融庁 監督局 下井保険課長
集まった会員に対して、不可欠なインフラを支え、一般消費者への顧客本位の取組に感謝を述べられた後、次のように語りました。
「保険会社では不適切な事案が相次ぎ遺憾である。3月に有識者会議を立ち上げて以降、速やかな業界の信頼回復に向けて取組を進めている。本日も、金融審議会の第4回WGが開催される。大規模乗合代理店への規制強化をはじめとする様々な問題点について論議を行う。1月にはパブリックコメントを募集するので是非とも意見を述べていただきたい。
代理店の皆様の努力は良く承知している。不適切事案を起こした、保険会社、代理店だけではなく、業界全体に厳しい目が向けられている中でも、懸命に頑張っていただいている。また、保険会社と代理店の問題についても取組を進めていただき心強く感じている。
何が保険業界にとっての顧客本位の業務運営なのかを考え、金融庁と良く連携いただき、共に議論し、保険業界の信頼回復につなげていきたい。」
損保協会 大知専務理事
損害保険大学課程、ぼうさい探検隊の共同取組への御礼の後、次のように語りました。
「直近では公正取引委員会からも指導を受けた。不適切事案の数々では大変なご迷惑をおかけして誠に申し訳ない。旧来の慣行を徹底的に見直す。年度内には目途をつけるべく取組んでいる。業界における新たなルールを実践していきたい。」
功労者表彰式
今年度は全国で10名の方が表彰され、阪神ブロックからは、長年に亘る貢献が評価され、和歌山県代協の中村利雄相談役が表彰されました。
基調講演
なぜ左官屋で若者と女性が活躍できるのか~業界の常識を変える働き方改革の実践~
有限会社原田左官工業所
ttps://www.haradasakan.co.jp
今年度の講師は、ガイアの夜明けにも出演された、有限会社原田左官工業所社長の原田宗亮氏でした。
キツイ・キタナイ・キケン、のいわゆる3Kのイメージが強い左官業ですが、原田社長の会社では、若者、女性が左官技術者として定着し、皆さんがイキイキと仕事をしておられます。
その経営のヒミツについて、講演の中で教えていただきました。保険代理店の経営のヒントも沢山ありました。
モデリング
左官業はまさに職人の世界ですが、今の時代、新しく入った社員に対して「技術は見て盗め」的な教育では、若手社員は到底育ちません。
原田社長の会社では、社内にトレーニング施設を整えています。そこでタブレット・スマホを活用し、若手社員にプロの作業の仕方を繰り返し観させた後、実際に作業をさせて、カメラで撮影します。作業をした後、プロの作業と自分の作業を即座に並べ比較しながら観察し、指導者がコメントします。これを繰り返すことで、各段に早く技術が身につきます。
クリエイティブな新分野
左官の技術とは、即ちコテを使った内外装の作業です。モルタル、漆喰や土壁が主な作業対象ですが、コテを使い、レンガやブロック、タイル、新素材を使った新たな分野へ作業範囲を広げています。おしゃれな美容室、レストランの内外装等も請け負い、左官のイメージを覆すクリエイティブ集団として、まさにセンスや感性が発揮できる仕事へ発展させています。
年季明け披露会
新入社員は、4年間を見習期間として採用します。そして見習期間の終了時を「年季明け」として盛大にお祝いをします。そのパーティには当該社員のご両親もお呼びし、入社から4年間の写真を綴ったフォトブックを一人一人に手渡す念の入れようです。4年間というゴールが明確に定められることで、辛い修行にも耐え一人前に育ち、さらに自覚を生みます。その光景を見た他の見習い社員にも「独り立ち」が鮮明に脳裏に焼き付きます。「年季明け披露会」は新入社員を成長軌道に乗せるための会社の仕組みになっています。
採用活動
採用には、HPやSNSを活用し、若い社員が活躍している姿をアピールします。また、単純な作業ではなく創造性を働かせるクリエイティブな仕事であることを伝えます。
おもしろい取組として、「仕事旅行社」とのタイアップがあります。職業体験を組み込んだツアーに「左官業」を取り上げてもらうアイデアです。午前中はトレーニング施設で作業体験をして、午後に現場に入って見学し、職人と語り合います。やはり体験を通じて知ってもらうことが大事で、遠方の府県からも採用の実績があります。学生のインターンや、中学校の職場体験等にも積極的に取組んでいるとのことでした。
パネルディスカッション
昨年に引き続き、パネルディスカッションが開催されました。
今年のキャストは以下のとおりです。
<パネラー>
(株)ライフステージ 永野社長 (三重県代協)
https://life-stage.mie.jp/
(株)リーズ 長岡社長 (東京代協)
https://www.leads.co.jp/
<ファシリテーター>
日本代協 石川理事
永野社長は40代前半でしょうか、経営者としては2代目ですが、独力で磨き上げた「自分の強み」が凄い内容でした。
全国の介護福祉事業者1500社を顧客とし、介護福祉事業のリスクマネジメントをテーマとした講演、研修会を年に600回行っています。講師ビジネスのフィーだけで年間700万円を計上されます。子どもの頃に接した介護福祉事業に関心を持ち、学校卒業後は一旦別事業の企業に就職しましたが、家業に戻り、代理店研修生時代に介護福祉事業者の開拓を始められました。最初は全く通用しませんでしたが、毎日通いつめ現場の介護福祉士と関係を作る中で仕事の実態を肌で感じ、事故防止のノウハウを習得、リスクマネジメントのレベルへと昇華させました。
代理店経営では、社員一人当たり18百万円の生産性を実現されています。
長岡社長はベテラン社長のイメージですが、この7・8年で組織経営に大きく舵を切られました。
会社を健康経営優良法人ブライト500認定企業とし、とにかく女性が元気にイキイキと働く様子が動画等を通じて紹介されました。
特徴的なところは、保険業務に一切携わらない専任のクリエーターを採用して、情報発信やPR活動を盛んに展開しています。YouTubeチャンネルでは、クオリティ高く地域の情報を発信し、お客様以外の市民の皆さんに親しまれる存在になっています。
懇親会
18時からは、懇親会が始まります。今の時代、損害保険会社12社の社長の皆さんが勢ぞろいし、損保協会長、法務大臣・鈴木馨佑氏を来賓にお迎えする、業界内唯一無二の機会です。
さらに業界の頭脳、日本代協のアドバイザー皆さん、各保険会社専業ラインの皆さん、そして全国から会員430名が集い、テーブル42卓が並ぶ盛大な懇親会です。
保険会社の方々、お世話になったアドバイザーの皆さん、全国の仲間と、会員の皆さんは大忙しで多方面での情報交換が行われました(なお、保険会社同士が言葉を交わす事は一切ありませんでした)。
毎年各ブロックが地域ブランドのPRを行い、今年は地震等の大きな被害を受けた北陸ブロックの担当でした。北陸3県の銘酒、食べ物に、開始前から人だかりとなり、用意された品々は、あっという間に無くなってしまいました。
功労者祝賀会
コンベンションの1日目が終了した後、お台場から、いきなり下町の勝どき橋に場所を移し功労者表彰を受章された、中村利雄・和歌山県代協相談役を囲み、祝賀会兼2次会が行われました。大阪代協の有志の12名の皆さんが、兵庫県代協、和歌山県代協の皆様と、もんじゃ焼きのお店で盛り上りました。
2日目:分科会
日本代協コンベンション2日目は、場所を御茶ノ水に移して、4つのセミナーが開催されます。参加者は事前にどのセミナーを受講するのか申告し割り振られます。
今年度は、下記の4つのゼミが開催されました。
追って、セミナーの動画が公開された際は、改めて連絡いたします。
どうなるホケンの現在と未来ー2024プロ代理店の直面する課題と展望
講師:中崎 章夫 様(保険ジャーナリスト)
損保業界は今、大きな岐路に立たされています。旧体制の崩壊と損保ビジネスの再定義、金サ法改正で金融監督の顧客起点へのパラダイムシフトとその影響、金融審議会損保作業部会動向と今後の留意点、ニューテクノロジー(DX)で変わるビジネスのあり方、非保険領域への進出など生損保の新たなビジネスの胎動、保険販売(流通)の多様化、そして今後のプロ代理店のあり方、課題、展望についてざっくばらんにお話します。
代理店経営者のみならず、従業員の皆様にもお勧めの講座です。
「損保問題」の本質と保険会社経営の今後を探る
講師:植村 信保 様(福岡大学教授)
「損保問題」は代理店にとって他人事ではありません。アナリストから見た「損保問題」の本質、(問題の背景として)大手損害保険グループ経営の現状、保険行政(金融庁)の方向性、保険会社は変わるのものなのか、代理店経営への影響などについて解説します。
代理店経営者のみならず、従業員の皆様にもお勧めの講座です。
環境認識を踏まえた「次世代型代理店像とマーケット開拓」
講師:中島 達朗 様((株)ふるサポ 代表取締役)
世界はVUCAの時代を迎え、その中でSDGsは経営の羅針盤と言われています。また、SDGsに代表される社会課題解決に取り組むことは、ビジネスチャンスと考える経営者が増えています。本講座では、様々な取り組みをご紹介するとともに、未来の代理店像についても言及したいと思います。
すべての問題は解決できる
講師:今徳 良 様((株)RiMiX 代表取締役)
当社は2017年10月に設立した代理店です。サイバー保険の情報提供を契機に各種新種保険の提案につなげていく法人開拓に注力しています。
サイバー保険特化型代理店に挑戦した理由や、サイバー保険を取り扱うための留意点等についてお話しします。
(記事:大阪代協 広報室)