「大阪代協LIVEステーション」を配信しました
2024年11月27日(水)16:00より、「大阪代協LIVEステーション」が配信されました。司会進行はおなじみ妹尾副会長と髙木主任のコンビでのお届けです。
冒頭、MCから本日の全体の流れの説明があり、その後、新谷会長のメッセージからスタートしました。
【新谷会長メッセージ】
新谷会長は、少々早いですが、と前置きされた後、2024年度を大阪代協内外の動向と共に振り返り、今後の取り組みについて述べられました。
【保業界変革を期する様々な論議】
今年度は金融庁の有識者会議とともに始まり、6月25日に報告書が公表されました。
その後、9月25日から損保協会で始まった「代理店業務品質評価に関する第三者検討会」は3回目を終え、また、9月27日から金融庁で『金融審議会「損害保険業等に関する制度等ワーキンググループ」』が既に4回目の論議を終えています。
【今年度の大阪代協のこれまでの動向】
現場でお客様に実際に接している、代理店・募集人の声や思いを日本代協に伝えることが大阪代協としての役割だとの考えに基づき、今年度も多くの会員の皆様の声を届けました。
◆会員の皆様にご意見をお願いした代理店業務品質に関する評価指針(案)について、大阪代協としても16項目について日本代協に意見を提出しています。これらは、3回目の第三者検討会の前に、日本代協から損保協会に伝えられています。
◆大阪代協で毎年実施している全会員アンケートですが、今年は、金融庁有識者会議の論点について皆様の考えをお聞きしました。皆様からは500件を超える回答をいただき本当にありがとうございました。
皆様の声を大阪代協としての提言にまとめ、日本代協を通じ、金融庁、各保険会社へ、大阪代協から近畿財務局、在阪の保険会社、業界新聞社へと、しっかりと業界の各方面へ伝えさせていただきました。
先日の日本代協コンベンションでは、金融庁の下井保険課長から、代協のこのような取り組みについて「心強い」と評価をいただきました。
【次年度に向けた今後の取り組み】
◆年明けには、前述のそれぞれの会議がパブリックコメントを募集します。大阪代協としてもコメントする予定です。皆様の声をしっかりと日本代協にお伝えし反映させられるようこれからも取組んで参ります。
◆4月以降、損保業界の新たな価値観が形として示されます。来年度の全会員アンケートでは、この「新しい業界のあり方」について皆様のお考えをお聞きするような内容を検討しています。
◆12月1日から損害保険大学課程コンサルティングコースの来年度受講者の募集が始まります。募集人の教育、資質の向上を図る上で、大変貴重な教育機会です。募集人すべてがトータルプランナー資格者となることを目指して、損害保険大学課程コンサルティングコースへの積極的な受講申込をよろしくお願いいたします。
新谷会長は結びとして、「代協は、保険代理店・そこにいる皆さん一人一人の声や思いを行政や保険業界に伝えられ、保険業界の新たな枠組みの中に活かすことのできる唯一のルートです。その価値を、どうぞ認識していただきたいと思います。」と呼びかけられました。
【金融審議会WGおよび第三者検討会参加報告】
今まさに業界注目のイベントとして「金融審議会ワーキンググループ」と「損保業界の第三者検討会」が進行中です。この両会議にオブザーブ参加されている、日本代協の金澤専務をオンラインで講師に迎え、両会議の現状や感じられたこと等などをお話いただきました。
【金融機関ワーキンググループ参加】
日本代協は9月初旬に金融庁から「6月に終わった有識者会議の報告書を踏まえ、今後は金融審議会ワーキンググループ(=特定の問題の調査や計画の推進のために設けられた部会のこと。)を発足し法改正が必要な点を継続検討していくので、オブザーブ参加してほしい」と依頼され、過去4回ともオンラインにて参加しています。以下、その論点と課題です。
(WG論点と課題)
◆さらなる検討が必要と考えられる以下の論点について、顧客本位の業務運営や健全な競争環境を実現するために、どのような課題と制度上の対応が必要と考えられるか。
(論点①)大規模な保険代理店に対しての、募集人品質の向上が図られるための施策について。
(論点②)保険仲立人制度の問題について。
(論点③)近年、火災保険の赤字が継続している状況と課題について。
(論点④)損害保険会社による便宜供与や企業内代理店の目指すべき姿にについて。
すでに複数回開催され、上記4点を始めとした様々な項目について活発に意見交換を行っています。オンライン参加であるため出席の委員と直接ディスカッションする事はありませんが、オブザーバーとして発言を求められた際には意見を述べています。
WGでは金融庁担当者と直接意見交換をする機会が多く、金澤専務は「代理店を代表して日本代協が金融庁に対し意見を伝えられる立場を確立できたのは、長年にわたり常に損保業界全体を見た発信に注力してきた日本代協のスタンス・活動が一定の評価を得られている証拠なのだろう」と実感されたそうです。
WGは回数を重ねて佳境に入っており、以下はその中でも代理店にとって関わりの深いテーマの抜粋です。
◆企業内代理店について
日本代協ではBM問題以降、企業代理店=内部崩壊していると一括りにするのではなく、ちゃんとしている企業代理店がほとんどであるという実態をしっかりと把握してほしいと金融庁に訴えてきた。その成果もあってか金融庁のWGでの資料に『企業内代理店の存在が、グループ企業のリスクマネジメントに貢献している』との文言も見られ、正しい理解が深まっていると感じた。
◆企業内代理店の特定比率の経過措置と適用除外について
「特定契約比率規制における経過措置を、3年程度の準備期間を設けて撤廃してはどうか」という意見が出ており、その一方で『特定契約比率規制の適用除外』も検討されている。前者の適用は、ちゃんと自立している中小代理店にも過剰な規制を課してしまう可能性もあり、雇用などにも影響を及ぼしかねないという事から、日本代協からも慎重に議論を進めてほしいと伝えている。金融庁との対話の中で、一番時間を割いている項目である。
◆比較推奨販売の適正化について
代理店にとって注目度の高いこの項目についても、金融庁と綿密な意見交換を行っている。議論の中心は、制度自体ではなく現在の比較推奨販売の方法をどうするかという点である。
損害保険商品には、新種を始めとしてその専門性から一般的には商品内容が分かりにくい物もある。契約者においては、商品選択の際にどの商品かよりどの代理店から入るかという点に重きを置く傾向にあるため、ただ並べてペーパー上で単純比較すれば良いという訳ではない。日本代協は金融庁に対し、こういった損保特有の特徴を理解し考慮して欲しい旨を伝えている。
【第三者検討会参加】
続いて、同じくオブザーブ参加をしている第三者検討会についてです。メインテーマは『代理店の業務品質に関する第三者評価制度について』。9月から始まり、11月現在第3回目が終わっています。損保協会のホームページには資料と議事録が掲載されています。(リンク先)
検討が行われるようになった理由は金融庁の『損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議(6月25日実施)』にて、『損害保険会社による保険代理店に対する指導等を補完する枠組みの構築を検討すべきである』との指摘があったことに端を発しています。
【代理店業務品質評価の基本的考え方】
代理店業務品質評価の基本的基本的な考え方として、以下の2点に重きを置いています。
・代理店の業務品質の内、顧客本位の業務運営に関する項目について、業界共通の評価基準(項目・指標)を策定する。
・利害関係のない中立的な第三者(代理店業務品質評議会)がその制度運営を行う。
代理店業務品質評議会の運営方針に関しては次のような議論がされています。
◆サステナブルな運営体制とするため、外部の有識者(学識経験者・消費者代表・弁護士)等で構成する「代理店業務品質評議会」(仮称)を損保協会内に設置して、業界団体機能から独立して制度運営することとしてはどうか。
◆「損保代理店の業務品質を利害関係のない中立的な第三者が評価して、必要な品質が確保できているかを確認する。」事が目的の評議会を損保協会内に置いてしまっては独立性が保てないのでは?
◆業界団体による中立的な制度運営の事例として金融ADR制度・生保業界の「代理店業務品質評価運営」等多くの成功事例が存在する。持続性その他を鑑みた場合、損保協会を中心に行うことが妥当なのではと思われる。
【代理店業務品質に関する評価指針案について】
基本的な評価指針案の策定に関するアンケートとして、全国の代協からの50項目以上(大阪代協も約16項目を提出)の意見を、名前以外ありのまま提出しました。代理店目線のリアルな声として反映されていくことと思われます。
なお、代理店ポイント制度に関する意見が多くありました。しかしながら、ポイント制度は保険会社毎の運営であり全体で扱うのは独禁法に抵触する可能性もあるため、この検討会ではポイント制度は論点として扱っておりません。
【顧客本位の業務運営の観点からみた業務品質について】
度々論点に上がる“顧客本位の業務運営”について、日本代協は以下の3点を述べています。
◆保険会社が重要と考える業務品質と代理店が重要と考える業務品質には、一定の差があるように思われる。
◆顧客からみれば、代理店に求める業務品質基準に、チャネルによる差はそれほどないものと思われる。
◆一方で、消費者から見れば保険会社も代理店も同じ商品供給側の存在であり、 保険会社との連携の中で、顧客本位の業務運営を進めていくことが重要である。
金澤専務は結びとして「目下継続中の会議は様々な議論が活発に行われており、その着地点は未だ見みえません。皆さんの意見は感情面も含めてしっかり発信しています。日本代協としては過剰な規制にならぬよう、しっかりと見守りつつ発言していきます」と述べられました。
【全会員アンケート結果報告】
続いて、原田企画環境委員長より、「2024年度 全会員アンケート」の結果報告がありました。
【全会員アンケートの目的と意義】
昨年度明るみに出た、BM問題および保険料調整問題に対し、金融庁は各保険会社への対応での是正は困難と考え、3月以降「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」を開催し、損害保険業界に根付いた構造的な問題の抜本的な改革に動き、6月にはその「報告書」が公表されました。報告書内では保険代理店業界が抱える諸問題が指摘されています。
大規模以外の代理店の指導にも活用できる評価基準の策定が提言されており、さらに「それらは代理店手数料ポイント制度と連動させ、保険代理店自身にその業務品質の向上に向けたインセンティブが働き、かつお客様からも、保険代理店の業務品質が確認できる仕組みが望ましい」とコメントされています。今年度のアンケートでは、以下の点に焦点をあてて実施いたしました。
◆お客様を向いた業務品質基準と代理店手数料ポイント制度を如何に融合させるべきか
◆複数保険会社との取引(乗合)、比較推奨販売、保険会社の引受・支払、特定契約規制、出向者等の考え方 他
【大阪代協からの5つの提言】
代協会員の生の声=アンケート結果を基に、業務品質評価基準策定にあたって大阪代協から5つの提言を行いました。
1.品質重視の手数料体系
保険料の多寡、増収額ではなく、その代理店のお客様に対する品質レベルに応じて、当該代理店の手数料率が決定する手数料体系へ改革するべき。
2.チャネル共通の品質基準
保険を販売する以上、チャネルに関係なく全ての保険代理店に共通した品質基準で評価を行うべき。
3.業務品質の判断基準
品質に係わる判断基準は定性的な要素が多い。保険会社はデジタルな判定にとどめず、社員の顧客本位の業務運営についての考えをより一層深め、目線を揃え、代理店との対話を重視して品質基準の判定を行うべき。
4.代理店としての品質評価
乗合代理店については、委託保険会社個別の評価ではなく、全社分を総合した代理店としての品質評価とするべき。
5.比較推奨販売の選択権
お客様に選択肢を提示する比較推奨販売を行うためには、複数保険会社の委託が前提。一定の品質レベルに達している代理店には、乗合・専属について自由に選択できる環境を整えるべき。
大阪代協は業務品質向上に役立つセミナーを開催し、代理店をバックアップしていきます。詳細は大阪代協HPでご確認ください。
【新春オープンセミナー】
続いて守屋組織委員長より来年1月24日(金)開催の「大阪代協新春オープンセミナー」の告知がありました。今回講義いただいた金澤専務にふたたびオンラインにてご登壇いただき、その後の決定事項を踏まえつつ時間の関係で語れなかった内容を余すところなくお話しいただく、関係者必聴のセミナーです。ぜひご参加ください(エントリーはこちらから)
【大阪代協・提携事業のツボ】
続いては「大阪代協・提携事業のツボ」でした。保田事業活性化委員長が12月17日開催(オンライン)の「大阪商工会議所サイバーセキュリティお助け隊解説セミナー」について、説明されました。「私たち代理店が販売しているサイバーリスク保険には、知っておかなければならないことがあるんです!お聞き逃しなく!!」と熱くPRされました。(エントリーはこちら)
大阪代協からのお役立ち情報を日々の業務にお役立てください。お見逃しなく!
【エンディング】
今回も内容盛りだくさんでお送りしたLIVEステーション。司会者からの「大阪代協は保険代理店の発展を通じて、お客様と社会の安全と安心に貢献することを目指し、情報発信に努めてまいります。会員の皆様のお声もぜひお聞かせください」との言葉で結びとなりました。
年末に向けこれから慌ただしい日が続きます。お身体どうぞご自愛ください。
次回は3月を予定しています。それまでお元気で!!
(記事:広報室 田中編集委員)