2025年3月6日(木)16:00より、「大阪代協LIVEステーション」が配信されました。司会進行はおなじみ妹尾副会長と髙木主任のコンビでのお届けです。
冒頭、MCから本日の全体の流れの説明があり、その後、新谷会長のメッセージからスタートしました。



【新谷会長メッセージ】
新谷会長は新谷会長は、2024年度は金融庁の有識者会議に始まり、金融審議会ワーキンググループ(以下 W.G)や、代理店業務品質評価に関する第三者検討会などの様々な動きがあったと前置きされた後、今後の損保業界の動向について述べられました。
【損保業界の今後の動向】
(W.Gについて)
W.Gは、金融庁による法改正を前提とした会議で、12月に報告書が公表され、今年6月までの通常国会で改正保険業法案が審議される見込みです。
国会で可決されると、
◆大規模乗合代理店に対する体制整備強化
◆保険仲立人の活用促進
上記2点は、次のステップに進むことになります。
法改正と直接関係の無いところでは、
◆乗合代理店における適切な比較推奨販売の確保、すなわち(ハ)方式の削除問題
◆企業内代理店に関する規制の再構築、すなわち特定契約比率の問題
これらは対応が遅れているようで、いつごろ結論がでるのかは見通せない状況です。
(第三者検討会について)
第三者検討会については今月中に「代理店業務品質評価指針」に基づいた自己点検チェックシート(トライアル版)が公表される見込みです。各保険会社は、今後代理店の品質評価をこの指針と紐づけると公表しており、自社が実効性をともなう内容で対応ができているか確認してください。
【金融庁と全国会長による意見交換会】
3月14日、全国の代協会長が東京に集まり、金融庁の下井保険課長との意見交換会を行います。事前に集められた質問・意見は、40件ほどで、金融庁とは既に共有済みです。
大阪代協は、以下の2件の意見・提言を提出しました。
◆顧客本位の足かせになる手数料格差の問題について
比較推奨販売は、お客様のメリットつながると考えられるが、乗合代理店は、委託する保険会社によって手数料ポイントがバラバラであり、これが適正な比較推奨をゆがめる原因になっている。同一代理店は、同一の業務品質であり、品質を重視するのであれば、手数料格差が生じにくい評価制度が必要、という意見です。
◆正しく比較推奨するために、標準約款の必要性を提言
特に家計分野において、一般消費者や代理店にわかり易くするために、標準約款を定め、標準約款と自社商品との違いについて、各保険会社が説明資料を作成するべきである、という内容。
他の意見として、チャネル間の不公平の問題、保険ブローカー活用の弊害、中小規模代理店の体制整備、等の問題について質問が挙がっています。
これらの意見・質問に金融庁がどのような、考え方を示すのかしっかりと確認し、改めてお伝えします。
新谷会長は結びとして、「皆さん一人一人の声は、代協を通じて金融庁や保険会社に伝わり、保険業界の新たな枠組みの中に活かされます。2025年も、全会員アンケートの実施を予定しています。是非ともご協力をお願いいたします。いよいよ総決算である年度末を迎えます。本業も、代協活動も、精いっぱいやり切って今年度を終えましょう。」と呼びかけられました。
【2月開催 活力研報告】
日本代協が年2回活行っている各保険会社との対話「力ある代理店制度研究会」略して「活力研」が2月21日~22日に開催されました。その場に参加された山中尚日本代協副会長に、参加されて感じたことも含めてその内容についてお話しいただきました。

◆業務品質重視の手数料ポイント制度へ
どの保険会社も【規模・増収】に偏ることなく【業務品質】を重視する手数料ポイント制度へ変革していくと述べた。といっても規模・増収がなくなるわけではなく、バランス的に“規模・増収よりも品質”へとウェイトを変えていくイメージ。一番進んでいる会社で、(規・増):(品)=40:60くらいと感じた。
◆代理店と対話する時間を増やしていく
近年、諸々の照会・依頼に関しても専門部署を設けて対応する保険会社が増えており、代理店と保険会社の直接の対話・コミュニケーションが減ってきていると感じられる。それを打開するために代理店指導・支援グループ等を新設するなど、各社とも組織の見直しを行うと述べていた。
◆シェアポイントをなくす保険会社も
「お客様のために乗合代理店になりたいがシェアポイントが大きいため乗りあうことが出来ない」という声は今まで意見交換会等で出ていたが、シェアポイントがなくなれば可能となる。反面、専属代理店は今まで付与されていたポイントがなくなるデメリットもあり、他項目での積み上げが必要になる。
◆損害率ポイントについて
保険会社によって制度の違いがあるが、損害率によってポイントが±する方式を採用する会社も数社見られた。例えば、損害率30%未満で+6P、損害率100%で-6Pのようなイメージ。ロスでポイントが上下するのも大事なことである。
等の内容についてご報告いただきました。
【2026年度代手現状分析速報】
各保険会社は、2026年度代理店手数料ポイント制度を公表しました。大阪代協では、その内容を分析し、今後の運営に反映させていきたいと考えています。分析の現状について、吹原事務局長から報告いただきました。

以下、各社を比較しての全体的な感想です(詳細な資料はこちらのリンクへ)。
◆従来の年に比べ、変化が大きい
◆業務品質評価指針との連動を見据えている
◆お客様アンケートの評価を新たに採用する会社が多い
◆規模、増収のウェイトを下げる一方で品質のバーを上げている
◆損保大学課程を重視する動きが見える
◆認定代理店に求めていた品質を、一般代理店にも広げている
等、代協の意見が少しずつ結果に反映している面も見られ手応えを感じました。
事務局長は「今後も引き続きチャネル毎の実態も把握に努め、2025年度全会員アンケートのテーマに取り込みます。引き続きのご協力をよろしくお願いいたします。」と呼びかけました。
【セミナー「保険ブローカービジネスの今後」】
続いて本日のメインテーマ「保険ブローカービジネスの今後」について、共立インシュアランス・ブローカーズ株式会社 常務執行役員 営業本部 副本部長 鶴島 貞正 様をお迎えいたしました。

常務執行役員 営業本部 副本部長
鶴島 貞正 様
鶴島様のご経歴です。
◆1985年4月、同和火災海上(現あいおいニッセイ同和損害保険)に入社後、同社にて国内外の様々な役職を歴任
◆2007年7月 外資系保険ブローカーに入社、同大阪支店長
◆2012年4月 共立株式会社入社、共立インシュアランス・ブローカーズに出向 同年7月より当社大阪支店長に就任。
主に大手グローバル企業のリスクマネジメントに関するコンサルティングに従事されています。
本日はご自身の経験からの見解・ご意見をお話しいただきました。
(保険ブローカーとは?)

まず、保険代理店と保険ブローカーの違いについての説明がありました。
◆保険代理店
保険会社から委託を受けて、保険会社のために保険募集を行う。
◆保険仲立人(保険ブローカー)
顧客(保険契約者)の委託を受けて、その顧客のために保険契約の締結の媒介にあたる。
どちらも保険募集にはかかわるものの、根本的に法的な立ち位置が異なります。
現在は、保険代理店と保険ブローカー(仲立人)との協業(共同募集)は禁止ですが、今後は認められる予定です(後述)。
他の質問として・・・
Q.「ブローカーとして関わったお客様の事故対応や更新等はどこまで可能なのか?」
A.代理店と同じように、契約上更新時も事故時も対応することが出来る。
Q.「現時点で協業禁止との事だが、禁止事項は具体的にどのような事項か?」
A.①保険募集の委託、②共同募集、③店舗共有、④情報の共有、はNG・・・等がありました。
(今後の方向性)
昨年から開催されているW.G等における議論で、特に企業保険分野に関連する論点は以下の二点です。
①「企業内保険代理店」の動向
W.G以前に行われた有識者会議では、企業内保険代理店について
◆業界内での立場・立ち位置があいまい、不明確である。
◆特定契約比率に関する問題で、代理店として自立していないのではないか?
・・・など、その他にも多くのことが指摘されました。

②保険ブローカーの活用について
W.G報告書には以下のような「保険仲立人(ブローカー)の活用促進」策が記載されています。
◆媒介手数料の受領方法見直し
まずは企業向け保険のみ対象で、顧客から手数料を受領できるようにする→保険ブローカーの「顧客の委託者」という立場を明確化できる。
◆保証金引き下げ
保証金を現在の2,000万円から、1,000万円に引き下げる→保険ブローカー業界への新規参入増加
◆保険代理店との協業
→企業内保険代理店と保険ブローカーとの協業が可能に。
◆保険仲立人を十分に活用できるように企業側がリスクマネジメント体制及びその能力を向上させていくことも重要である。
・・・等。上記のような施策を実行していくには実務的な内容をさらに詰める必要があり、時間を要するだろうと述べられました。その他に事前に募集していた質問(手数料報酬に関するもの、業法改正を踏まえての今後の展望、海外の保険ブローカーの日本進出の可能性・・・等)に、時間いっぱいまでわかりやすくお答えいただきました。
(まとめとして)
鶴岡様はまとめとして「今後、保険代理店と保険ブローカーの協業が認められる可能性があります。実務面の問題点はまだまだありますが、クリアできれば保険代理店と保険ブローカーの新しいビジネススタイルが確立され、地位・環境の向上につながるでしょう。」と力強く述べられました。
【日本代協アカデミー】
続いて、渡辺教育委員長から、募集人教育・管理ツール、日本代協アカデミーについての告知がありました。

先般公表された「代理店業務品質に関する評価指針」案の中に顧客対応状況の確認項目として「募集人に対する教育・管理・指導」という項目が設定されており、代理店が必ず実施していかなければなりません。
代協会員のみが利用できる募集人教育システム「日本代協アカデミー」をぜひとも活用していただきたいとPRされました(お申込み案内はこちら)。
【エンディング】
今回も内容盛りだくさんでお送りしたLIVEステーション。MCからの「大阪代協は保険代理店の発展を通じて、お客様と社会の安全と安心に貢献することを目指し、情報発信に努めてまいります。会員の皆様のお声もぜひお聞かせください」との言葉で結びとなりました。
年度末に向けこれから慌ただしい日が続きます。お身体どうぞご自愛ください。
5月の通常総会でリアルにお会いできることを楽しみにしております。それまでお元気で!!
(記事:広報室 田中編集委員)
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