地震保険セミナー開催しました
~『地震と津波』リスクについて~
日本代協阪神ブロック協議会(塩谷広志ブロック長)並びに損害保険協会近畿支部(米川孝委員長)の共催による 「地震保険セミナー~『地震と津波』リスクについて~」が、大阪市中央区の大阪損保会館9階講堂で開催されました。このセミナーには、大阪代協をはじめ、兵庫県代協、和歌山代協の会員、損保各社社員など180名強が参加しました。
開会にあたり、損害保険協会近畿支部委員長の米川孝氏が挨拶に立ち、「昨年6月の大阪府北部地震では6名が犠牲になり、5万6000件を超える建物が被害を受けました。改めてわが国ではいつ、どこでも地震は起こり得ると認識させられました。昨年12月末時点で地震保険から約14万件、1033億円の保険金が支払われました。これは、阪神淡路大震災を抜いて歴代第3位となります。
消費者には地震保険が経済的備えとして大きな役割を果たしていることを実感していただけたと思います。2018年末の阪神地区の地震保険の付保状況は、保有契約件数が5%以上、新契約件数は10%以上増加しています。これは代理店の皆様のご活躍の証です。しかし、2017年度末での状況をみますと、大阪府が59.8%、兵庫県が57.8%、和歌山県が61.6%と全国平均の63%を下回っています。今一度、皆様に阪神地区の地震リスクについて理解を深めていただき、地震保険普及に向けてどのような方法が有効かを認識していただくことが重要であると考え、本日のセミナーを開催することにしました」と述べました。
また、来賓の大阪府管理室防災企画課地域支援グループ課長補佐の朝倉一郎氏が「昨年は、大阪府北部地震、台風21号といった大災害に見舞われ、改めて自然災害の脅威を実感し、災害に対する備えの重要性を認識した1年でした。大阪府では2年にわたり災害に関する意識調査を行いましたが、自然災害に対する意識は約30ポイント高くなっているにも関わらず、実際にその備えは横ばい状況であることが分 かりました。防災に関しては、行政だけでは難しい面があります。民間のご協力をいただきたい」と挨拶しました。
講演では、大阪管区気象台地震火山課地震津波防災官の藤田真樹氏が「大阪・兵庫・和歌山における地震・津波リスクについて」を話しました。同氏は、2018年中に近畿地方において体に感じる地震が200回、感じない地震を加えると2万6,000回発生したことを報告し、とくに大阪・兵庫・和歌山は全国的にも活断層が多い地域であり、現在注目されている南海トラフ地震とともに活断層を原因とする地震への注意も促しました。さらに、地震・津波発生のメ カニズムとそれが及ぼす被害を解説する中で、「活断層の有無に関わらず被害を伴う地震は発生する」「南海トラフ地震は繰り返し発生してきた」と地域のリスクを知ることの重要性を述べ、「震度5弱から被害が出始める」「高層ビルを襲うもう一つの揺れ『長周期地震動』に注意」「津波は20~30センチでも人は流される」と地震・津波の怖さや留意点を解説しました。その上で、地震・津波の被害を軽減するには、①地震・津波の特徴を知ること ②地震は普段の備えが大切(危険個所の把握も忘れずに)③津波から避難する(避難訓練は必ず行う) ④気象庁発表の緊急地震速報、津波警報などを活用するといった ポイントを挙げました。そして、「地震はどこで起きても不思議でありません。緊急地震速報が鳴ったり、実際に揺れを感じたときは周囲の状況に応じて慌てずに、まず身の安全を確保する行動を取ること。そのためには、様々な場面において、日ごろから地震が発生した場合に自分が取るべき行動をイメージしておくこと、訓練しておくことが大切です」と締めくくりました。
(記事:新日本保険新聞社)