一般社団法人大阪代協

理事会その他の活動報告

いまさら聞けないSDGsセミナー開催

2023.02.24

日本代協阪神ブロック協議会は、2月16日(木)15時30分から、帝塚山学院大学教授の溝手真理氏を講師に招き、「いまさら聞けないSDGs~身近でできるSDGs・日常生活の中で取り組めるSDGs~」をテーマにオンラインセミナーを開催しました。

 冒頭、坂本正和ブロック長(和歌山代協)が挨拶に立ち、「昨今はSDGsという言葉を耳にしない日がないほど溢れていますが、具体的に何をすればいいかを問われると明確に答えられる人は少ないのではないでしょうか。今日のセミナーでは、身近にできる、日常生活で取り組めるSDGsが理解できると思います。代理店の仕事は健康、防災・減災といった形でSDGsに直結しています。それはSDGsの理念に適い、社会貢献につながっています。この仕事に誇りを持って取り組んでまいりましょう」と呼びかけました。

左:大阪代協大西CSR委員長 右:坂本阪神ブロック長

 セミナーでは、溝手氏が

(1)SDGsとは
(2)SDGsがつくられた経緯
(3)国内の取組みから見えてくること
(4)わたしたちにできること

を解説しました。

※帝塚山学院大学 溝手教授

まず、(1)について同氏は、SDGs(Sustainable Development Goals)とは、〝誰も取り残さない〟ことをスローガンに、

2015年に国連で採択された17のゴール(=目標)
①貧困をなくそう
②飢餓をゼロに
③すべての人に健康と福祉を
④質の高い教育をみんなに
⑤ジェンダー平等を実現しよう
⑥安全な水とトイレを世界中に
⑦エネルギーをみんなにそしてクリーンに
⑧働きがいも経済成長も
⑨産業と技術革新の基盤をつくろう
⑩人や国の不平等をなくそう
⑪住み続けられるまちづくりを
⑫つくる責任つかう責任
⑬気候変動に具体的な対策を
⑭海の豊かさを守ろう
⑮陸の豊かさも守ろう
⑯平和と公正をすべての人に
⑰パートナーシップで目標を達成しよう

と、169のターゲット(指標=より具体的な小目標)で成り立つ「世界共通の目標」であると述べ、それぞれについて具体例を挙げながら説明しました。日本でSDGsは「持続可能な開発目標」と言われています。

 (2)について、その取組みは1970年代の近代化・工業化・経済成長期において環境問題や先進国と発展途上国との貧富の格差がクローズアップされた頃から始まりました。その後1980年代なってSUSTAINNABLE(持続可能性)という概念が登場、このまま進めば地球に未来はないといったことから1992年の地球サミットで様々な問題に関して地球規模での取組みがスタート。そして2000年にアジア・アフリカの開発途上国における問題解決に向けた「ミレニアム開発目標(MDGs)」が採択され、それを引き継ぐ形で2015年に国連で全世界を対象として2030年を達成目標にSDGsが採択されたと、そのつくられた経緯を説明しました。

 (3)国内の取組みから見えてくることに関しては、アフリカで「100万人の手洗いプロジェクト」、ボルネオで「環境保全プロジェクト」に取り組み成功しているSARAYAを紹介する一方、SDGsと称して安易な判断で取り組み批判を浴びた企業を例に挙げ、「SDGsでは、ひとつのゴールだけを見て企業イメージを上げることだけを狙った安易な取組みはかえって企業イメージを損なう。他のゴールも考えながらバランス良く取組む必要がある。」と警鐘を鳴らしました。また、再生可能エネルギー活用に関して日本は世界の中で極めて低い水準にあり、これは再生エネルギーにかかる費用が高いことが原因となっていると述べました。社会問題となっているプラスチックについては、2020年7月にレジ袋が有料化された結果、7割がレジ袋を利用しなくなりエコバックを使うようになったという効果が表れたものの、エコバックの環境負荷はレジ袋の50倍という分析もあることから、同氏は「同じエコバックをできるだけ長く使うことが必要」と強調しました。

 そのような中で、(4)わたしたちにできることでは、まず、SDGsのゴール12に関連する取り組みとして、地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動であるエシカル(ethical)消費が求められると述べました。その例として、森永製菓の「1チョコ for 1スマイル」(対象商品1個につき1円をカカオの国の子どもたちが教育を受けられるよう支援)などを紹介しました。

 さらに、日常において「地球温暖化対策」「気候変動問題」「ゴミ問題」について私たちにできることがあると話を進められ、国連広報センターが提唱する「持続可能な社会のためにナマケモノにもできるアクションガイド」を紹介されました。

例えばその
レベル1では「ソファに寝たままでできること」として、
・電気機器を使っていない時は完全に電源をオフにする。
・できるだけ紙の印刷物を減らす。
・照明をできるだけ消す。
という例をあげました。


レベル2では「家にいてもできること」から
・短時間のシャワー
・肉や魚を控えめに
・エアコンの温度を、冬は低め、夏は高めに設定


レベル3「家の外でできること」では
・買い物は地元で
・サステナブル・シーフード(認証があるそうです)を使っていますか?

そして最後に、「海の汚染を防いで、プラスチックごみを減らそう」「ブルーエコノミーを支援しよう」「気候変動と闘おう」「常に情報を入手して変化を訴えよう」といった意識をもって生活することが必要だと締めくくりました。

(記事:新日本保険新聞社)

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