~廃業を余儀なくされた顧客をプロ代理店が救う~
「百年続く保険代理店を目指して~中小企業の事業承継支援におけるプロ代理店の役割とは~」をテーマにした中小企業事業承継支援セミナーを、大阪駅前第二ビル15階イオンコンパスF会議室で開催しました。講師を務めた損保ジャパン日本興亜リテール営業推進室代理店業務開発部長の粕谷智氏、アンドビズ㈱アドバイザリーサポート課の星野創氏は、地域の中小企業に寄り添うプロ代理店としてどうあるべきかを熱弁。参加した56名は熱心に耳を傾けました。 講演に先立ち、山中尚会長が「本日は、粕谷様と星野様に中小企業の事業承継支援等について代理店としてどう関わって行くかについてお話いただきます。セミナー最後には、バトンズ認定コーディネーター資格取得の講習を設けています。今日はぜひとも皆様に資格取得者となって帰っていただき、今後の活動に役立ててほしい」と挨拶しました。
粕谷氏が「『地域の中小企業に寄り添うプロ代理店を目指して』~中小企業者・中小企業の事業承継における保険代理店の役割~」と題して講演を行いました。
中小企業は、2025年には経営者が70歳以上の企業が64%、後継者不在の企業が127万社、廃業を余儀なくされる企業が83万社になるといわれています(2025年問題)。現状でも廃業は年間約3万社にも及び、しかもその5割が黒字企業であり、そこには事業承継の問題が大きく関わっています。同氏は、「地域の中小企業にとって、事業承継は経営継続要素として非常に重要な問題となっている」と述べ、その上で「代理店がこの問題に関わっていくことは代理店経営にとっても非常に重要です。放置していると後継者との関係構築が図られず、既存契約が事業承継後に肩代わりされるリスクがあります。また、廃業や他者を通じてのM&Aとなれば契約の消滅あるいは乗換えのリスクもあります。代理店が積極的に関与し適切に支援していくことで企業経営継続が可能になれば、こうしたリスクは軽減されます。ある調査研究によると、4割近くの経営者は相談相手がいないと答えています。そういった意味でも代理店の役割は大きい」と訴えました。
また、「現在は代理店にとって中小企業開拓の好機である」と強調。国は事業承継問題対策を重要視し、昨年4月から中小企業の非上場株式(自社株)に係る相続税・贈与税の特例事業承継税制を施行し、今年から個人事業主にも同様の税制措置を設けるなど、様々な対策を図っていることを挙げました。「税理士をはじめ、事業承継ビジネスに取り組む各セクターの活動は活発になっています。特に特例税制を受けるための事業承継計画の提出期限は2023年3月末だけに早期の対応が求められます。一方、この問題に取り
組んでいる代理店はまだまだ少ないのが現状です。今真剣に取り組めば自社のポジションを上げられる状況にあります。第2部で紹介するバトンズの活用もその1つです。代理店がM&AコーディネーターとしてM&Aアドバイザーに情報をつなげば紹介料や保険契約獲得といったビジネスにもなります。これは地方創生への貢献にもつながります」と積極的な取組みを促しました。
そして最後に「地域の中小企業サポーター、事業承継相談実績No.1などをキャッチフレーズに掲げる代理店として、新たな『自社の強み』を発信してほしい」と締めくくりました。
平成31年2月4日(記事:新日本保険新聞社)